映画「追憶」は往還の映画と思う。過去と現在を行き来して、ストーリーを織りなしている。ラストは往還のクライマックスである。大通りを行き来するハーブラ・ストライサンドとロバート・レッとフォードは、時間とお互いの立場を行き来する。
行き来だから、最後に彼岸で終わるか、此岸に留まるかは問題である。映画では、二人とも彼岸つまり現実にとどまっている。バーブラの I am a very good loser.もテーマ曲の Would you? Could you? も、運命愛、定めの受容なのである。
もう何度も書いたこの映画論だが、再放送を機に重複を承知で書いた。