miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

還る表現

 f:id:miyukie33ok:20210510095323j:plain

 松本清張の短篇「張込み」は何度も映画になっている。不親切を承知であらすじの紹介は割愛させて頂きます。小説では刑事が密会の女さだ子に、 最終バスに乗って家に帰り、何事もなかったように普段の生活に戻るようにすすめて終わる。親切なようで無機質な、突き放した終わり方である。清張らしい。
 映画の終り方が気になって、DVDを借りて昨日から観ている。まだ見終わっていない。閑長が監督ならば、日常に戻った高峰秀子のさだ子の洗濯のショットをもう一度撮ってラストにする。洗濯は映画前段の定番シーンである。多忙で空疎な瞳に佐賀の空を映す。
 作家ならば、刑事が20時間余の帰途をフトおもう一文で締める。
 みな全て、日常に還すのである。