miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

物理学者は二度、証明する

 先日、BS番組で「最後の講義 村上斉」が再放送されていた。これまで何度も観たのだが、もう一度聞きたいエピソードがあって録画して観た。
 村上先生は、小学の低学年で高校の数Ⅲまでマスターしてしまったらしい。高校時代、数Ⅰに四苦八苦した自分と引き比べて驚嘆の才能である。小学生で高度な高校学参に出会い、マスターするエピソードは、何度観ても面白い。
 村上先生の今の仕事は、宇宙のなりたちや宇宙の末路、天文現象全般である。その解明に大きな足跡を残したのが、ニュートリノ天文学であり。ニュートリノを世界で初めて観測しノーベル賞を受賞したのが小柴昌俊先生である。小柴先生のこの偉業が実は、停年直前、数十万年前の偶々の爆発、ラッキーな機器の精度向上に支えられていたという。「運って大事ですよ」の村上先生の一言が心に響いた。

 物理の証明は二度、行われる。一度は理論で、もう一度は実験で。順番の前後がありうる。そのアプローチは全く異なる。実験には、強運も関わる。理論を左右するのは、天啓だろうか、出会いだろうか。なにか人生の教訓にも思えてくる。

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