miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

ガロン画論

 村上華岳の「画論」を読んで、この人ならばこそ聖性を備えた美を生み出せたものだと、山種の「裸婦図」や多くの仏画を目に浮かべた。文章には使命感と節度、それと意志が込められていた。 
 女三四郎といわれた柔道の山口香が著書で、アスリートに人格を重ねてみるべきでない、と言っていた。アーチィストの場合はどうなのだろうか。
 天分の完成のため、「八十まで生きん」と鍛錬と節制、慈愛を誓った華岳村上震一であったが、ゆるされたのは半百そこそこの齢だった。しかしその作に自ずから現れる品位は、少しの曇りもなく澄み切っている。

 f:id:miyukie33ok:20210223111658j:plain