危機が遊びに
開高健は男が夢中になれるものは危機と遊び、この二つと言っている。わざわざ “言っている” としたのには訳があって、NHK番組「あの人に会いたい」で語っているが、印刷物では未見である。噂では、茅ケ崎開高邸後の「開高健記念館」にはこの名文句が貼り出してあるという。
さて、同じNHKで危機が遊び、つまり“快”になるメカニズムを“スリル”をキーに番組にしていた。脳内物質のアドレナリンとドーパミンがキーである。ジェットコースターなど、身体的な危機に陥ると、アドレナリンが分泌され、心拍が高まり、発汗して臨戦態勢となる。それだけだと、体が硬く固まってしまうので、当時にリラックス物質のドーパミンも分泌され、調整される。これで終わらずに、脳が安全と判断するとアドレナリンの分泌が抑制され、結果、ドーパミンだけが作用してスリルを快として受け止めるようになる、というのが番組の説明である。
だがこの「脳が安全と判断すると・・」が曲者と思う。「安全判断する人」「しない人」の分岐点はどこにあるのか。そこが胆であり、それこそが知りたい。残念ながら番組では掘り下げはなかった。
以下は閑長の憶測である。
・アドレナリンとドーパミンの分泌量に個人差がある
←アドレナリン人間とドーパミン人間がいる
・分泌のタイミング、抑制のタイミングに個人差がある
←アクセルマンとプレーキマンがいる。
今後の究明と開示、そして放送を期待する
蛇足であるが、21世紀に入り令和ともなった。番組構成も高度化してほしい。
例えば、冒頭で、番組の要点を一表で開示してほしい。つまり、サブノート化である。忙しい人や気早な人には大受けであろう。表に、放送時間の目安も表示されていると親切である。
このあたり、また、日を改めてブータレさせて頂きたい。
アドレナリンは匂うのだろうか・・