miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

流れる

 人気画家にも流行があって、若冲フェルメールは半世紀前にはさほど騒がれていなかった。閑長が幼いころ読んだ美術画集に、若冲の絵はは小さく二点、フェルメールはデルフトの眺望しか掲載されていない。当時はマチスとルオーの時代だった。
 今、流行と書いているが、はやり廃り、潮流、潮目の変化、時代を映じる、など、表現する言葉も色々ある。どの言葉を選ぼうが30年、50年を経てどう評価されるかは、実際に時間が経ってみないと解らないので、結局、今の自分の眼で見つめ、判断するしかない。けれども自分自身の眼も判断も固定的ではなく、行き来し、熱しては冷め、訪れては、又流れ往くものだから困ってしまう。ルオーに傾倒したかと思うと、劉生に心酔し、その影響で北方ルネサンスに嵌ってきた。実際にこういう体験を重ねると、ベルグソンの時間論、“自分自身を内省すると流れを感じる”という言葉が胸に落ちる。浅薄な素人解釈かもしれないが、賛嘆したくなる。
  
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