miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

言葉の文様

 没後50年で三島由紀夫が取上げられることが近頃多い。自衛隊突入と割腹自殺がクローズアップされるのだが、本業の小説について三島は、自身の小説のメチエ、マテリアルを人生や思想などではなく、言葉であるとしている。言い切る点はさすがに鬼才である。
「文章は思想ではない」と書いたのは、確か蓮実重彦だったと記憶する。あるいは対談だったかもしれない。言葉、文章、思想を捏ね繰り回す気はないのだが、結局著作物に、書き手の志向、起点と終点があるように思う。

 ペルシャ絨毯は自然や動植物を模様としている。自然染色した糸を交互させて織り上げる。広さと厚みが加わり、敷き物として誕生すると暮らしや思いが立ち込めてくる。

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