miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

端とすみっこ- 連動の妙

 バンタム級三階級制覇の井上尚弥は、「日本ボクシング史上の最高傑作」と呼ばれ、パウンド・フォー・パウンドランキングでも日本人歴代最高の2位の評価となっている。先月末には、オーストラリアのマロニーにノックアウト勝ちして王座防衛を果たしている。
 ボクシングで相手をノックアウトすることを、昔は「松ヤニの匂いを嗅がせる」といったらしい。
試合中、足が滑らないようにシューズの裏を釘でギザギザの刻みを入れ、更に松ヤニを塗ったのが理由である。あの粘っこさだから滑らない。相手も同じ支度をしてくる。ダウンすると松ヤニの匂いが鼻を衝く・・
 そうまでして滑らなくするには訳があって、ボクシングのパンチは足の親指の付け根で打つ、と言われている。拳を手首が支え、スクリューさせ、肘と肩が圧力を伝え、体幹と腰のひねりで全身のエネルギーを炸裂させる。そして膝と足の親指の付け根の捩じりでノックアウトパンチとする。
 こぶしと足の裏、身体の端と端とが連動していところが面白い。
 小説は膝で書く、絵はへそで描く、そんな比喩はないものだろうか。
 
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