miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

心底から湧き上がるもの

 日展三山の一人高山辰雄の横顔を伝える「父 高山辰雄」という本がある。捜索現場を子供の頃から見つめてきた娘さんが書いている。その中で「顔輝は人間の心の底を掻きまわして、その奥から湧いてくるものを作品としたのだろう」と語る画家のエピソードが紹介されている。作品とは「蝦蟇鉄拐図」のことで、蝦蟇仙人と鉄拐仙人の怪異な風貌や、背負った蝦蟇に気味悪さを描かれた重文作品である。数年前に読んだばかりだが、絵画、特に現代美術を見るとき、時折この逸話を思い出す。
 今、六本木の森美術館では日本の現代美術家6名の「現代美術のスターたち―STARS展」が開かれている。心底を掻き混ぜた結果を観たい。
 f:id:miyukie33ok:20201028195357j:plain