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閑長のひとり言

閑長のひとり言

おやきとおはぎの文化考

 長野名物のおやきとおはぎは、名前だけでなく丸い外見も似ているが、おやきは具が中にくるまり、おはぎは、具に相当する黄な粉やあんこが皮を覆っている。身と具が逆転している。
 具が外にあるおはぎは、見た目は華やかだが、移動と保存は難しい。携帯性が低い。作ったその場で食べ尽くすことになる。おやきは具がくるまっていて保存性が高く、蓄えに向く。ポータブル性も高い。
 おばぎは、より一念発起の度合いが強く、おやきは保存食の要素が強そうである。有態にいってしまうと、ハレの供物“おはぎ”と蓄えの糧“おやき”という性格の違いがありそうである。

 この見立て、実はレヴィ・ストロースの「料理の三角形」からヒントを得ている。レヴィ・ストロースは“焼く”と“煮る”という調理法を、男性的・女性的な「焼く」に対して、浪費・節約的な「煮る」として、対極に置いている。

 「焼く・煮る」と「おやき・おはぎ」。洋の東西を超え、調理・摂食行為に構造的な類比をみようとするのは、レヴィ・ストロースにかぶれ過ぎだろうか。
 
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