以前、TBSの「情熱大陸』で、ギタリスト沖仁がスペインのコンテストで超絶的なテクニックで演奏するも、優勝を逃したエピソードを番組にしていた。沖は長野出身で、フラメンコギターの名手である。
翌年沖は、晴れて優勝を勝ち取るのだが、「スペインに溶け込み、フラメンコのスピリットに触れた成果だ」という意味のことを語っていて、印象深かった。
音楽とは、楽器の音を聞くのではなく曲を聴くのは勿論だが、時に温度湿度や風向き、風土や歴史も感じさせてくれる。民族音楽の場合は尚更である。
ギターの他にもハモニカ、オカリナなど、シンプルなソロ演奏は、時に匂いや砂埃まで感じさせる手触り感がたまらない。