miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

盲従指導

一斑をもって全豹を評す ものごとの一部を見て、全体を推しはかることのたとえ・・という。 “全豹をもって一斑を評す”とはいわないが、もしマクロの属性ありきで、ミクロを律するとしたら、権威主義か、ドグマか、ハラスメントにはならないだろうか。 ネット…

日と華の交わり

日本で天皇制が長く続き、取って代わろうという武将が現れないのを、「歴史の研究」のトインビーが、“日本における中国の唐制崇拝の残滓”と評してい、「なにをご無体な・・」と聞き流してきたが、近頃では有りうべきことだ、と思うようになった。 底流に流れ…

加算画法

地方の公募美術展で力の込められた作品をたくさん観た。 オブジェクトが多く賑やかな作品、描き込みに念がいっている作品、そんな作品が多いと感じた。 行き過ぎると騒々しくなる。 一巡してオブジェクトと描き込みを減じた作品も観たい気持ちになった。

待てば来たれり

美学に関する番組で、詩人の高橋睦郎が「詩を創るということは“ 待つ ”ことだ」と言ってい、「そんなことはとっくにリルケが言っている・・」と思ったが、なんと小林秀雄も自己の評論執筆を「神経を集中して『待つことだ』」と言っていて驚いた。 湧いてくる…

Autumn is gone.

どの力士も弱くなった。解説も下手である。正面も向う正面も。実況アナにもヘマが多い。審判員は説明不足である。 行司は差し違えが多い。声も、もう一つである。 大相撲秋場所が終わっての感想である。

コイ十題

コイ十題 故意犯 過失犯 恋煩 加筆犯 未必の故意 密室の恋 概括的故意 外観的恋 故意の借用 鯉の借用

一富士、ニ高、三イーグル

大相撲秋場所もあと二日の取組となって、贔屓の力士への期待が高まる。大関経験者で優勝歴のない力士、最高齢優勝の更新等々、様々な応援理由があるなか、今場所は是非北勝富士に賜杯を抱かせたい。地味だが自省と自制、それに感謝と分析の頭と心を持ち合わ…

白い秋の風

「石山の 石より白し 秋の風」 芭蕉に言われなくても、秋の風は白く感じられる。 それは印象や趣きばかりではなく、大気中の水蒸気が関係するように思う。 気温の低下や日光の弱まりで、大気中の水分が結晶し、乱反射して、眼には白く感じさせる。 吸い込む…

上には上?が・・

御嶽海の大関陥落は最速かと思ったら、二場所で陥落した先輩方が四人もいた。 これからは、昇進後の五場所くらいは、“ 見習い ”か“ 心得え ”を付した肩書にした方が無難かもしれない。

イングリッシュは多言語

昔、英語学習のリンガフォンに「英語コース」と「米語コース」とがあって、「そりゃ英語のチョイスだろ・・」と思っていたのだが、新井潤美先生の著作に接して、180度考えを改めた。一見、酷似しているので紛らわしいが、Einglischは、コミュニケーションと…

初めにイヴありき・・

ジェンダー問題で話題にしにくい「男坂・女坂」なのだが、発生論から考えると、一般的で標準的な女坂が先ず開通し、せっかちか、肝短かか、体力自慢の登山者なり参拝者によって男坂が開かれた、という順序と思う。逆の順序は考えずらいし、同時開通も工程の…

過ぎたるは尚・・「説明的」ということばが、絵画で描き込み過ぎの出来の悪い例として使われている。遠近法をはじめ絵画史は説明を高める歩みでもあったと思うのだか、やはりほどほどが良いのだろうか。かといって近頃の説明がつかない絵が評判になるのはど…

別個の数学、別個の物理

ABC予想の望月新一教授による証明法は、全く別の新しい数学世界を仮想するほど独創的という。勿論その詳細は閑長の手には負えない。 だがしかし、実験ではなく数学的な“ 都合 ”に基づく、例えば素粒子物理における超ひも理論のような予想は、根拠とする数…

つきづきし・・

名は実を現す・・ 源氏物語のヒロインは皆、名前でほぼほぼキャラクターや役柄が知られるが、唯一の例外と言い得るのが、朧月夜ではないだろうか。 活発奔放な気性には、月夜ならむしろ三日月や十三夜が似つかわしかろうに。最後に姿を消す物語をもって " お…

「ジョルジョーネ頌」

ティツィアーノに比定される作品を、ジョルジョーネ作と鑑定すると喜ばれるといわれるが、それは単に稀少性と価格だけの問題ではないと思う。 「詩想の画家 ジョルジョーネ」「絵画の発見 ジョルジョーネ『嵐』解説」を続けて読んで、絵画という芸道の象徴力…

形容の序列

形容詞が二つ、三つあるとその序列はどうなるのだろうか。青い、大きい、清々しい等々の包摂と無関係な形容詞であれば問題は生じないが、カテゴリーや帰属が関わってくと形容詞間の優劣次第で意味する内容が大きく異なってくる。 イギリス社会の階級を表現す…

潮位

英国のエリザベス女王が崩御され、同じ“ 国葬 ”となって、安倍元首相の国葬の違和感が際立った感がある。 在位期間だけでも70年と2,822日では雲泥の差がある。何よりも国民の抱く、弔い、送る意識に差がある気がする。

前原冬樹と洞穴の比喩

前原冬樹の木彫一刀掘りの一体作品は、観るものの眼をくぎ付けにする。モチーフとした実物への思いがこみ上げてくる。 これまで、こんなにも実物を見つめたことが無いことに気付かされる。見詰めている間は、作品と実物との境がなくなる思いになる。

開祖と教祖、そしてバイブル

田川建三の新約聖書の「訳と注」が滅法面白い。 古代ローマのキリスト教の布教史と近代日本の宣教戦略を目の当たりにする思いがする。 妄想のアンケートを想像してみたい。 ミスター・イエスに「どれが真実か」と問うたら、 「みんな違うが、どんどん“ 違い …

赤字は繰越し

大相撲は今日が初日。前場所途中でコロナ休場した御嶽海は大関に残留したが、前場所七日目に、2勝4敗の星で休場したのだから、先行した負け星2つを今場所に持ち越すべきではないか。 つまり10勝をもって今場所の勝ち越しとしたら、潔かろうに・・。 赤字…

雄弁と寡黙

植物にも心理がある、と植物学者が書いた本を読んだことがある。心理までいかずとも、動物並みの環境への順応性は実感する。植え付けて一、ニ年目は、音無しい。三、四年目には思い切り枝を伸ばすので、選定が忙しい。五年も経つ頃には、植え付けられた場所…

六丁目事情

スペインで自治運動の強い地域、過激に表現すれば独立運動が盛んな地区であるバスク、カタルニア、アンダルシア地方の共通点は、イベリア半島の海岸端、言ってしまえば「どん詰まり」に位置するということだろう。新参なのか、古参なのか。盤踞しているのか…

雨、あめ続けば・・

九月の長雨の中、屋外の仕事や作業をしていると、紙と革が雨水、つまり「水」に弱い事を実感する。 書類はヨレて文字は滲み、皮革は皺が寄って縮み、硬化する。 極端を云えば紙文化、革生活は晴天文化の所産に思えてくる。 平素の暮らしが雨天中心時々晴天で…

意味のつながり、ニュアンスの関連

数日前、全体と部分について、「ものに部分はない」と書いたが、敬愛するボードレールの「悪の華」は、詩の並びにも意味が伴って、一篇の詩の解釈に前後、さらにその先の詩編の詩句やテーマが関係するという。 ボードレール自身が詩の並びや選出に心を砕いて…

人が集まるところには

アオキ、大広、カドカワ、そして・・ 反社、コンプラがこれだけ叫ばれる令和にあって、五輪の贈賄が取り沙汰されているのだから、昭和の五輪の内幕は、 日本の黒幕、犯罪組織、地下機構、外国勢等々が勢ぞろいしたのではないだろうか。今更ながら五輪史を繙…

部分のぎごちなさ、全体のしっくり感

「ものに部分はない」という。人文科学のみならず自然科学の世界でも聞かれるテーゼである。記憶の限りでは、福岡伸一の著書、ホワイトヘッドの論考、ギュンターグラスの戯曲で目にした。 細菌のTVドラマで、ぎごちない、板につかない方言を耳にし、その俳優…

左利きで、右効きで、剛力にしてひ弱な、・・

数学の問題は、出題の条件をすべて使わなければ正解とならない。勝手に都合の悪い条件を切り捨てたり、付け加えたりしてはいけない。 解法的な視点でみて、オリエント急行殺人事件の犯人が乗客全員というのは、ハナから判っている。 精々、更に突っ込んで、…

成り行きか事件か

保険金殺人の容疑者が「拘置所内で自殺を図り、死亡した」は「安倍元首相が狙撃され、死亡した」と似ている。 不都合な表現を迂回し、当事者から第三者的な立場に視座を変えている。中立的と言えなくもないが、責任の所在は曖昧になる。 「自殺した」「暗殺…

皐月のハエ、長月のせみ

ウルサイは「五月蠅い」とも書くけれども、サテ「九月蝉」と書いたら、何と読ませたらよいだろう。 儚い、だろうか。幽き、か。 来年の蝉月が待ち遠しい。

疑義と時期

木村草太の国葬記事に感服した。内閣の権能、法の下の平等、思想の自由など、憲法レベルで疑義を展開している。明解かつ透徹した論考だった。 ただひとつ付け加えたい、統一教会問題の喧しい中、その張本人と協会との関係を、十分に検証と説明せずして強硬挙…