miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

誇り

カジキマグロ漁を戦場とした小説は「老人と海」の他にもあった。 フレデリック・フォーサイス「帝王」は読むに足る一冊である。あらすじの紹介はネットに譲りたい。 「老人と海」よりも通俗である分、パンチの効きはよい。即効性がある。 ただ、タイトル「帝…

未来の跛行性

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 は1985年を基点とし、30年前の1955年と30年後の2015年を舞台にしている。過去はさておき、未来には「当り・ハズレ」があるのだが、未来予想が外れるパターンは、物体や物質のスケールや機能に関わる部分と感じた。つ…

思いがけなく出会った、出会うべきもの

「絵画の発明」という本を手に入れた。サッティスというイタリアの美術史家の作である。 副題は「ジョルジョーネ”嵐”解読」とある。パラパラとしただけで未読である。 絵画が、絵画表現でしか表せなかった意図と主題を、ジョルジョーネの謎多き名作で論攷し…

レンブラントかラ・トゥールか、マネか

『ゴッドファーザー PART II』の上院公聴会のシーンの最後で、組織の暴露を企て、言を翻したフランクと、シシリアからやってきたフランクの兄が、退出時にすれ違うシーンは傑作と思う。よくぞ撮った、コッポラ監督。 兄弟に、マイケル、そしてケイ、トムの心…

思い込みのGonge

「言下」をずっとGongeと読んでいた。多分、高校生の頃、ルビのない柴田錬三郎かなにかを読んで、前後の文脈で読みを推測したのだと思う。今、Gonge Gonka Genka を よみ比べて見ると、Genkaが一番相応しく思える。スマートである。ただ、「言下」の意味とGo…

腹八分目、山八合目

頂点を越える、という事がある。 頂点こえて進んで、知らず知らず下っているという状態。 芸道の世界に例えれば、外連味、品がない、騒々しい、ということに近いか。 美声、声色、言い回し、台本、すべて投入したら嫌味となる。 Softな声で知られる俳優のナ…

子は鎹

この絵を観て、和田三造の「南風」を連想した。 両方とも、半裸の海の男を描く画面の右に、男の子が一人描かれている。この男の子は画面構成上、不可欠のモチィーフに思える。 人物の集合画で子供の姿は、人数や大きさに関わらず、絵を引き締める要素とみえ…

闘鶏魂

矢吹丈はバンタム級に拘った。それは多分に同級の語感に由来すると思う。フェザーにポエジー感は乏しく、ライトでは現実感が強すぎる。ウェルターは良いのだが、ジョーの悪ガキ性が減殺される。 丈は、体格ならばライト、ウェルターのところ、己の孤塁を守っ…

昔時間、今携帯

中島敦の「悟浄嘆異」に、人間が時間を発明したことを皮肉って、「やがて時間に使われる事になるだろう」という件がある。 携帯電話の普及で、“逃げも隠れもできな”くなって、携帯に繋がれ、遣われているという感を強くする。携帯されているはヒト、に思えて…

馬歴

国債残高の趨勢的減少、または減少に目途。 新規産業出現による雇用の増加に大きな手応え。 北方四島のうち、二島先行返還。 竹島に関する領土問題の存在を相手国承認。 尖閣諸島の領有を国際的に承認。 例えば長い在任中、これだけ果たしたなら国葬も当然と…

三本目の矢

安部元首相の三本の矢は 金融緩和+財政支出(≒国債発行)→(新)産業創出と書き表せる、と思う。 現段階で→は、破線か、下向きか、ともかく連結されていない、 一、 二本目の矢は人為的に、つまり政治判断で行うことができるが、肝心なのは三本目の産業活性化で…

ライ・ウイスキー

初めて「ライ・ウイスキー」を飲んで不愛想に惚れた。 結局、酒とはこういうモンと思えた。 フランコ・ネロ、クラウス・キンスキー、中野英雄 范文雀、中川安奈、中山麻理 殺しのライセンス、沈黙,フィツカラルド 素数、無伴奏ヴィイオリン、シュプレマティ…

おニューとリサイクル

リターンマッチ、回春、戻り鰹、ぶり返し、再発、再燃、再利用、回し軍配、リサイクル・・ 「もどり梅雨」または「梅雨Ⅱ」を造語すべきと思う。

輸血を・・

大相撲を見ていて、審判員に失望した。 説明というより説明力不足であり、ビデオ活用も足らない。 なにより行司弁護、協会擁護のスタンスに辟易する。 総身に・・とまでは言わないけれど、外部の人材投入も考えていいと思う。

ポエジー

「ふきとばす石も浅間の野分かな」 軽井沢は浅間神社境内の句碑である。本歌とは助詞を一つ変えてある。 助詞の入れ替えで、コンデンスされて濃密になった分、俳味が失われて、散文になっている。 口ずさんで、空を仰ぎみる風情がこの句には欲しい。

喪失の姿

映画「大いなる勇者」は、ロバート・レッドフォード扮する西部の山男が、次々と失っていく事を描いて、実に見事である。喪失の代りに替わりに得たものというと、孤独とせいぜい自負だろうか。誇りとプライドと言うほど、この映画は尖がっていない。 主演がロ…

かけばわかるか・・

吉田初三郎の「俯瞰図」には敬服する。 「俯瞰図」の解り易さは、標高を描き込んでいる事のほか、近くは密に、遠くは疎に画いている点だろう。 カントが自著「純粋理性批判」二版の冒頭に『もっと曖昧であったら、もっと明瞭になっているだろう』との 一文を…

スピロヘータの貌

超ひも理論は、素粒子物理学における数学の限界が作り出した産物である。 計算上“ 0 ”が出て来てしまうので、次元を増やしてみた・・、という。 もっと物理チックに考えければ、モノの始原の形態として、直観的に、実に相応しいと思われる。 超ひも理論に共…

基本の奇

日本の形象は奇数が基本という。庭園、仏像、生け花等。 対して西洋は偶数をもってスタンダードとする。宮殿、装飾家具、宝飾品。 奇数のこころは不整形、不均等、動態的、未完。 偶数の精神は整形、均衡、静態性、完成。

成長神話と未来志向

夢を語れなくては政治家として失格だが、夢を墨守する政治家にも未来は託せない。 国の借金が趨勢的に増え続けると言うのは、未来を夢見過ぎか、使い途を誤っているとは言えまいか。 税収と、そして国債発行で経済の好循環をもたらすことに失敗し、歓心と集…

無力感 ⇒ 無関心 ⇒ 手応え ⇒ 興味 ⇒ 活動 ⇒ 強化 ⇒ 激化 ⇒ 過激化

政治への関与の変遷を書いてみた積りである。 四番目以降が、安易で、 そしてファシズム的なポプュリズムでないことを願いたい。

勝者の得るモノ、与えられる物

ヘミングウェイの「勝者にはなにもやるな」の勝手解釈である。 ・与えては不純になる ・全て得ている ・すでに得る、失う・・を超越している ・” やる ” 分だけ失ってしまう どれも違う感じがする。

長きがゆえに・・

安倍元首相が銃撃され、政治関係者やマスコミのコメントに「民主主義の根幹を揺らす・・」という所感やコメントの多かったこと・・。そりゃ引いては民主主義にも及び兼ねないが、取り敢えずは、「言論の自由」位でしょう。揺るがされるのは。「民主主義の根…

なり銀 なぜ金

なぜ“ 成金 ”であって“成銀 ”ではないのか。 攻守にバランスの取れた「銀」では、勝負の妙味が損なわれるためか。 閑長は、前進主体の「金」に成らせることで、 壮絶な討ち死を促すルールにしたのでは・・、と勝手に想像している。

幼さと拙さと

大岡昇平の自伝的な戦記ものに、「戦争を知らない者は皆、子供なのだ」というセンテンスがある。 そうだとすると、文学、評論はいうに及ばず、 昨今の政治も、経済も、芸術も、スポーツも皆、こどもの集いということになる。 その方がスッキリと説明がつくこ…

火の意図せざる意図

故里の浅間山は、見る角度によって山容が大きく異なる。中軽井沢からと、蓼科方面から見た浅間とは、同じ山には思えない。角度によって姿を変えるのは火山の特長のようである。東北の火山 鳥海山も見る角度で別の山である。 地球の地殻変動でいったん出来上…

マダムとの相性

「マダム・ボヴァリー」は、ほとんどの仏文関係者が賛美するフローベールの名作であろう。サマセット・モームの推す『世界の十大小説』の一冊でもある。 ミーハーの閑長はもちろん飛びついて読んでみた。入手困難な中村光夫訳の文庫本まで手に入れて読んだ。…

かけ、掛け、欠け、崖・・

漢字の「掛け」“ 掛 ”の字が付く地名に、沓掛け、鞍掛け、網掛けなどがある。閑長の住いの近くにもこの三つの地名がある。 沓掛けの「掛け」は宿場での休憩で、靴を脱いで下げたという掛け。 鞍掛けの「掛け」は、馬の鞍を木に吊るしたという掛け。 網掛け「…

項羽ありて劉邦あり、フレイジャーなくしてはアリもなし

劉邦にとっての項羽は分身以上の存在である。漢王朝は項羽と劉邦の比較優位の所産といえる。 二人が同時代に存在したことは漢字文明にとって“ 天祐 ”である。 モハメド・アリは不世出のボクサーだか、スモーキン・ジョー・フレイジャーも二度と現れまい。 二…

「ファスト」と「端折り」

過去の特集版組が再放送される際に一時間が45分、45分が30分に短縮されるケースがある。決まって味のある、コクとなる、機微に亘ところが削られ、カットされる。骨でストーリーは分かってもニュアンスを欠いた番組には失望させられる。 似て非なるものが「フ…