miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

哀、歓 重大な意味

韓国の民俗舞踊は、喜びと同時に哀しみの舞であるという。踊りの名手が語っていた。うらみ、怨恨の「恨」の意味まであるという。消極的な「恨」ではないと言っていたが、積極的な「恨」というのをかえって空恐ろしく感じられた。 民俗舞踊、民俗音楽など、生…

解禁間近 ―

鮎の眼は菱形に描くと鮎らしくみえる。彫刻家の伯父の教えで、伯父は日本画家をしていた父から教わったという。伯父の父だから閑長には爺ちゃんになる。 猪の眼はハート形をしてい、描くときには鼻ずらに向かってハートの先端を描くと良いという。これはもの…

過ぎたるも尚・・

上村松園に重要文化財の作品はいくつあったろうか。確か二点と記憶する。三点目の最右翼が、「葵の上」に想を得て源氏物語の六条御息所の生霊を描く「焔」という。美人画の松園の中では異色で、髪を噛んで振り返る青い顔に、嫉妬に翻弄される姿が現われ,白…

五感と調和

数字に素数という数があって、現代社会ではクレジットカードの暗号化技術に使われるなど、無くてはならぬものとなっている。素数は、1 より大きい自然数で、約数が 1 と自分自身のみである数である。一桁の数字では、2、3、5、7。英語のprime numberの方…

歌よみ人と歌まち人

心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ 西行 見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ 藤原定家 寂しさは その色としも なかりけり 槙立つ山の 秋の夕暮れ 寂蓮 和歌に「三夕の歌」があって、賞玩され比較されていることは…

一行だけの文章、断絶したメッセージ

パルコ出版のアメリカン・ノスタルジア『エドワード・ホッパー』の解説はロイ・グットリッジが書いている。そこでロイは、「ホッパーは、人間を突き放して寂寞感を出している」とあって、感心した。 ホッパーの絵の、無機質、無造作に描かれた縦線と横線は、…

黄色いじゃーなりずむ

こんな言葉あったんだ、 イエローじゃーなりずむ・・偏狭なる我がまま月旦、ワイドショー版の総括である。義憤の偽装 不満のあおり 善意のかこつけ 共感の押し付け 間もたせの誘導尋問 感想先導による扇動 わけ知り顔の二番煎じ 事情通ぶった三番煎じ 時間調…

類人猿のさかしらで・・

アパートから姿を消していたアミメニシキヘビが22日の午後、見つかった。飼育されていた二階の部屋の屋根裏に潜んでいた。近くの暖かい処・・ヘビの気持ちになって見つけ出した爬虫類協会の関係者は流石。本能は知性に優る、快哉を叫んで蛇の無事を喜んだ。 …

裏投げ、居反り、そして返り投げ・・

大相撲の昨日の照ノ富士-遠藤戦は、今場所の優勝を占う一番だった。大一番の末、物言いで遠藤に最終軍配が上がった。結果はともあれ、実況アナウンサーの「遠藤の体が完全に裏がえっていた」との連呼が気になった。体が裏がえれば、即、死に体ではない。相…

併存、併記のバランス

物質の最小単位である原子は「原子核と電子の電磁相互作用による束縛状態にある」とされる(Wikipedia)。原子核の陽子は、プラスの性質をもっており、電子はマイナスの性質をもっている。このため、プラスの原子核とマイナスの電子がお互いに引き合いながら回…

花札では、もみじの5点が最も美しい。紫と紅とのコントラストが目を奪う。 トランプではスペードのクイーンに魅せられる。やはり悪女は魅惑する。麻雀パイでは、七筒(チーピン)、クラブはピッチング、工具はモンキーレンチ・・美はいたるところに落ちてい…

さてさて・・

先週の土曜にあざみの絵を観た。良い絵で、飯山の画廊だった。お安くすると言われて触手が動いた。子規の「世を厭う こころあざみを愛すかな」が頭をよぎり、当時にもう一句、恋忘れの旅に出て、その先で野あざみを見た、と詠んだ女性句があったことを思い出…

華のあるニヒル・・

眠狂四郎は市川雷蔵か田村正和か。想像を巡らすと楽しい問いである。 外観、雰囲気は五分、声も優劣決しがたい。演技も夫々堂に入ったもの。無想正宗の助太刀が欲しくなる。 だがしかし、柴田錬三郎が意図した眠狂四郎を思い浮かべ、狂四郎を狂四郎たらしめ…

物言いに物言い

物言いは大相撲で、行司軍配に審判委員が異議を唱えることとされている。地元力士の御嶽海を応援する糟糠の妻につられ観戦し、物言いの場面に何度か出くわした経験では、スポーツ競技的な、早い・遅い、出た・残った、とのジャッジが多すぎる。もちろんビデ…

わび さび ひえ やせ

痩せと俳句は相性がいい。太るだと句にならない。夏痩の手に広辞苑 重きかな 岩崎照子 只でさえ重い。 夏痩にことさら触れで 別れけり 宮地英子 夏痩せの事には触れず 別れけり 加藤正子 還暦ともなれば誰でも心当たりがある。 夏痩詩人 ワインの栓も抜き兼…

再録 対決五輪

五輪の開催・中止が取り沙汰されているが、無位無官、リタイアの閑長の管見をを再録したい。 ・コロナ五輪、成功する可能性なしとはしないが、所詮、壮大な賭けとなる。 ・金銭や財物ならばともかく、国民の健康と命を賭けに晒すべきでない 菅総理は、「人類…

魔人 怪人 画人 伝

ルネサンス画人伝、中国画人伝、本朝画人伝、現代画人伝。画人伝ばかり続けて読んでいると、画人グループには四つか五つ位の極があるように思う。言葉にしてしまうと平板だが、ラファエロ、ゴヤ、大観、崋山、槐多、野見山暁二などのマイスターが極の核にい…

栖鳳の一線

「よく写生した画題は線を省けるが、そうしなかったものは線が多くなる・・」 一撃の一線を体得した画人のことばで、成程と感服してしまう。

いわくの国語辞典

少し前に「好みの語釈 用例の妙」で、岩波国語辞典、新潮国語辞典 -現代語 古語-、学研国語大辞典、角川国語中辞典を愛用していると書いて、理由を書いたのは学研国語大辞典だけだった。 角川国語中辞典は編者で選んでいる。時枝誠記と吉田精一は、毀誉褒貶…

鉄人の書

「良い絵には中心があって、右回りまたは左回りに画面が構成され、最後に締めくくりがある」 『「古書画」目利きの極意 - 鑑定の鉄人part4』で、著者の渡邉包夫が示す、“ 優れた絵 ”の特徴である。日本画について語ったものだが、西洋画にも中国画にも当ては…

対角線の隠し味

「私は対角線が嫌いだが、ホッパーの対角線だけは別だ。ホッパーの対角線は、私が愛する唯一の対角線である」 マーク・ロスコがエドワード・ホッパーの絵を評していった言葉である。改めてホッパーの絵をみると、窓から差し込む日光は対角線の様である。水平…

還る表現

松本清張の短篇「張込み」は何度も映画になっている。不親切を承知であらすじの紹介は割愛させて頂きます。小説では刑事が密会の女さだ子に、 最終バスに乗って家に帰り、何事もなかったように普段の生活に戻るようにすすめて終わる。親切なようで無機質な、…

モーツァルトに訊いてみたら

「ミゼレーレ」は、イースターにシスティナ礼拝堂でのみ歌われる曲で、長く秘曲とされてきた。楽譜は門外不出で、聴きながらのメモも許されなかったという。14歳のモーツァルトはその「ミゼレーレ」を、いちど礼拝堂で耳にしただけでおぼえてしまい、帰って…

生き様の “ ショック ”

カシオの「Gショック」の開発苦労話が番組になっていた。最初期の製品企画書にはただ一行、『落としても壊れない丈夫な時計』と書かれていたという。潔い! けれども『落としても壊れない』と『丈夫』はほぼ同義のトートロジーであり、言わせていただくなら…

好みの語釈 用例の妙

新明解国語辞典が改定され「言い換えにとどまらず本質に迫る」というキャッチにひかれてパラパラ立ち読みした。 いつも引く語は決まっている。最初に「励行」。これが、“励み行うこと”と書いてあるとがっかりする。ついで「宗教」。 OEDのRgligionの説明…

いっぺんのできごと

松本清張の作品を読んでいて、「大東亜戦争」の大きさを思った。状況をガラガラ・ポンする装置として戦争の役割は大きい。状況を一変させて新たなステージに導く舞台として、作家にとって先の大戦は、実に重宝だった。 平成・令和と時代は進み、ガラガラ・ポ…

18か43か、将又63か

これはもう書いたろか・・ ミニカーの縮尺は1/43がベストと思う。1/18では “ ミニ ” でなくおもちゃ化してしまう。1/63では、愛玩が勝って、鑑賞が劣る。チョットした違いなのだが、相手が小さいだけに、差は大きい。図らずも43は閑長の好きな孤高の数字、素…

時間、事、モノ

映画の「イージーライダー」を観ていたら、冒頭でピーターフォンダが時計を地面に捨てていて、象徴的だった。仕事を辞めて、買った時計が九個になった。十個ではないところが味噌である。高級時計は一つもない。 残りの人生は、残りの時間と楽しい事と好きな…

内藤チャンプの内輪差

NHKの「内藤大助の大冒険」で、内藤大助が犬ゾリでアラスカの白銀世界を滑走するという番組を流していた。インストラクターの女性が“ カーブではスピードを上げて曲がれ ”と強調していたのが気になった。 自動車教習の鉄則と反対なのである。 しばらく番組を…

ふ・じゅく

“不熟”は、岡倉天心が愛弟子の菱田春草を評した言葉と記憶する。春草は、明治を代表する夭逝の日本画家である。 あとに続く語を否定的、消極的に受ける“不”であるが、この語句だけは例外で、若々しく、脈打つような可能性を感じさせる。未熟とは異なるニュア…