未来の跛行性
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 は1985年を基点とし、30年前の1955年と30年後の2015年を舞台にしている。過去はさておき、未来には「当り・ハズレ」があるのだが、未来予想が外れるパターンは、物体や物質のスケールや機能に関わる部分と感じた。つまりエア・カーやオート・フィット・スーツなどは実現しない一方、情報通信面は映画の描く2015年以上の進歩を遂げている。結局、人間という「ハード」のサイズや重さに縛られない微細化技術が関わる分野は想像通りかそれ以上に発展している。
一つ確実なのは、いずれにしても貧富の格差は拡大するという事・・。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」には、政治や国際問題には触れていないが、これも微細化できないジャンルとみて、“ 進歩しない ” と見た方がよさそうに思える。
思いがけなく出会った、出会うべきもの
「絵画の発明」という本を手に入れた。サッティスというイタリアの美術史家の作である。
副題は「ジョルジョーネ”嵐”解読」とある。パラパラとしただけで未読である。
絵画が、絵画表現でしか表せなかった意図と主題を、ジョルジョーネの謎多き名作で論攷した本とみられるが、絵画がこの世にあらわれるには、必然のほか偶然と、なにより自然が無くてはならぬと思う。
だからタイトルは「絵画との遭遇」が相応しいと思うのだが、サテ読後感はどうだろうか。